コスメトリビア

ケミカルピーリングのしくみ

美肌水(原液)は、水道水200mlに尿素50g、グリセリン大さじ1杯を溶かして作ります。
この美肌水の原料の尿素には、皮膚のいちばん外側にある角質の細胞と細胞を接着しているのりのような物質(細胞接着因子)を溶かして、角質細胞(垢)をはがす作用があります。
美肌水に入れるグリセリンには、尿素の作用を能率よく助ける相乗効果があ昨ます。

先ほどの声にあった「垢がポロポロ取れる」というのは、まさにケミカルピーリングならではのことなのです。
ケミカルピーリングを直訳すると、「化学的に一皮むくこと」です。

美肌水を塗ってはがれ落ちた、古くなった角質細胞は、正確には「過熟成した角質細胞」とでも呼ぶのが適当でしょう。
しかし、ここでは面倒なので過熟角層と呼んで話をすすめます。

この過熟角層がはがれ落ちると、若々しい角質細胞(専門的には幼弱角質細胞という)が、表皮の最も外側に出てくることになります。

角質細胞は、14~15層重なっています。
そして、表面に近い半分の層は、水分を保持する性質(保水性)のとぼしい角質細胞で、その下の半分が、保水性の高いみずみずしい角質細胞なのです。

過熟角層が美肌水ではがれ落ち、みずみずしい幼弱角質細胞が表面に出ることは、肌がしっとりしてよいのですが、角質層は薄くなってしまいます。
そうすると、外界からの刺激が、容易に皮膚の内部に伝わることになります。

外界の侵害刺激(ストレス)を内部に伝達することを防ぐのは、表皮の機能ですから、角質層が薄くなると表皮にとってはマイナスの要因となります。

そのため、表皮が刺激を受けると、表皮のいちばん内部にある基底細胞が細胞分裂を急きょ開始し、新しい角質細胞を作り出します。
つまり、ターンオーバー(新陳代謝)が活発になるのです。

ターンオーバーが活発になると、角質層の厚さは元にもどりますが、表面は若々しい角質でおおわれることになります。

ではどうして、肌の色が白くなったり、シワが取れたりする効果まで、美肌水にはあるのでしょう。

表皮には、奥の真皮との境に基底細胞層があります。
基底細胞層には、角質層細胞を作る基底細胞のほかに、肌の色を黒くするメラニン色素を作るメラニン細胞も分布しています。
メラニン細胞は紫外線などの刺激が加わると、メラニン色素をどんどん作り出し、角質細胞の元になるケラチノサイトという細胞にメラニン色素顆粒を送り込みます。

基底細胞のターンオーバーが活発になると、ケラチノサイトが次々に作りだされます。
そうすると、メラニン色素を送り込むのが追いつかなくなるのです。
つまり、美肌水を塗ると、肌がしっとりするばかりか、色が白くなるというわけです。

次は、なぜシワが取れたかです。
実は私は、読者から寄せられた「シワが取れた」という声を、気のせいぐらいに思っていました。
いくら美肌水でもそこまでの効果は無理と考えていました。

しかしいろいろ調べているうちに、シワがほんとうに取れる可能性のあることがわかりました。
基底層の活動が活発化して、細胞分裂が盛んになると、分裂中の基底細胞から何か情報が真皮の繊維芽細胞に伝えられます。

情報を受け取った真皮の繊維芽細胞は活性化され、肌の弾力の元となる若々しいコラーゲン(膠原)線維をどんどん作り出し、シワの原因となる弾力線維(エラスチン)を吸収するようなのです。

以上の美肌水の効果の原理がわかれば、もっと効率よくケミカルピーリングを行うことができます。

 

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